タイトル
屋島

牛若丸之図

牛若丸之図
資料データ
歌川国芳筆
大判錦絵二枚続
縦38.2 横50.0(cm)
江戸時代
文化12年(1815)〜
天保13年(1842)

 歌川国芳(1797〜1861)は,江戸後期の浮世絵師。初代歌川豊国の門人で,号は一勇斎・朝桜楼。文政(1818〜29)末の《通俗水滸伝豪傑百八人》の錦絵シリーズが好評を博し,「武者絵の国芳」と呼ばれた。武者絵の他にも,風景画では洋風陰影法を取り入れて新境地を開拓し,天保の改革(風俗上よくないとの理由で,役者絵・遊女絵の売買が禁じられた)に対しては,諧謔味あふれる戯画・諷刺画を描いて反骨精神を見せるなど,豊かなアイディアとバイタリティーを持ち合わせた絵師だったといえる。
 本図は,平安末期にいたという伝説的大盗賊熊坂長範が,奥州へ下る途中の牛若丸を赤坂(現,岐阜県)の宿に襲ったが,逆に牛若丸の武勇のために誅伐される場面を描いている。この説話も史実に基づいたものではなく,源義経の勇気や武芸の素晴らしさが後世の人々の間で強調されていくにつれ,いつしか盗賊として名高い熊坂長範の伝説と結びついたのであろう。この二人の対決は,舞曲『烏帽子折』,謡曲『熊坂』などに戯曲化されてもいる。



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