タイトル
屋島

摂州大物浦平家怨霊顕る図

摂州大物浦平家怨霊顕る図
資料データ
歌川国芳筆
大判錦絵三枚続
縦37.4 横75.2(cm)
江戸時代末期

 歌川国芳(1797〜1861)は,江戸後期の浮世絵師。初代歌川豊国の門人で,号は一勇斎・朝桜楼。文政(1818〜29)末の《通俗水滸伝豪傑百八人》の錦絵シリーズが好評を博し,「武者絵の国芳」と呼ばれた。武者絵の他にも,風景画では洋風陰影法を取り入れて新境地を開拓し,天保の改革(風俗上よくないとの理由で,役者絵・遊女絵の売買が禁じられた)に対しては,諧謔味あふれる戯画・諷刺画を描いて反骨精神を見せるなど,豊かなアイディアとバイタリティーを持ち合わせた絵師だったといえる。
 大物浦沖で嵐に遭った義経主従を描く。本図では,平氏の怨霊たちは生前の姿に近い格好で波間に浮かび,すさまじい恨みのこもった気とでもいったものを義経たちに向けている。義経の刃先の白い波に見えるものは,よく見ると怨霊たちの顔と手であり,何とも恐ろしい。空を描かず一面を波で埋めたことから,荒れ狂う海,そしてその中で木の葉のように翻弄される義経主従の船,といった印象が一層強められている。



ここをクリックするとリンク先があらわれます