「牟礼町と石工」資料説明

 常設展示室『牟礼町と石工』資料説明 我が国の石材の採掘や石製品の加工にたずさわる職人が長い年月の間に培ってきた伝統的技能は、その扱う石材の硬度により、おおむね二大系統に分類できます。 ひとつは栃木県の大谷石、島根県の来待石など 凝灰岩・砂岩等の軟石に対する技術であり、もうひとつが花崗岩を中心とした硬石系に用いられてきた技術です。牟礼町と庵治町の境付近から産出する庵治石は、石質が極めて硬度が高く、表面が緻密で美しい最良の石材として評価されています。 この庵治石に対し、誇りと愛情を持って先人達が醸成してきた技術は、硬石系技術の集大成であり代表的なものです。 また、それを具現化してきた石工用具は、庵治石の“極めて硬質”な特質のため、採石・加工の工程に様々な用具が使い分けられ、時代の変化と共に変遷・改良され、多種多様な体系となっています。
  この庵治石の里で、石工たちの熟練した腕により体の一部として使われてきた石工用具は、平成八年十二月二十日に「牟礼・庵治の石工用具」として、石材に関する物件では我が国初の重要有形民俗文化財の国指定を受けました。この常設展示室に置かれてある石工用具の実物資料は国指定を受けた七百九十一点のうちの一部です。
 この常設展示室の構成は、この地域だけの特色を追求しただけでなく、もっと普遍的に大局的にこの資料構成から我が国の硬石系の技術が理解できるようになっています。