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収蔵品収集の方針

高松市美術館は「戦後日本の現代美術」,「20世紀以降の世界の美術」,「香川の美術」を3つの柱として系統的に収集を行っており,現在1500点以上の作品を収蔵しています。

戦後日本の現代美術
戦後日本の現代美術
丸山直文《bees&wind》2006年

社会的,文化的にきわめて重要な節目として「戦後」に注目し,終戦後から現在に至るまでの「新しい価値の創造」を目指した表現作品を積極的に収集しています。

たとえば「実験工房」「具体美術協会」「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」「レッド・センター」といったグループに関係する作品は,コレクションの重要な核になっています。

また特に流派を形成していないが,個々に表現の深みを追求した作家の作品,時代に先駆けた前衛的な試みも見逃さずにコレクション対象としています。

「陶彫」は高松にゆかりのある作家イサム・ノグチのテラコッタ彫刻などに影響をうけ,八木一夫(やぎかずお)を中心とした「走泥社」のメンバーがはじめた彫刻的焼き物です。伝統と現代性の両面から新しい表現を試みた作品群として見ごたえのあるコレクションです。


20世紀以降の世界の美術
20世紀以降の世界の美術
ワシリー・カンディンスキー
《小さな世界》1922年

海外作品の収集は,「戦後」の日本美術へ影響を与えた時間差を考慮して,20世紀以降の作品を対象にしています。

20世紀初頭のピカソから始まり,マチス,カンディンスキー,エルンストといった巨匠の作品,現代美術において特に大きな影響を与えたデュシャン,ポロック,ジャスパー・ジョーンズ,フランク・ステラ,ウォーホルやリキテンシュタインらの版画作品を中心にコレクションしています。


香川の工芸
香川の工芸
磯井如真《存清六角香盆》1940年頃

郷土の美術のなかでも,表現上の独自性と歴史的重要性を考慮し,漆芸や金工などの工芸に重点をおいて収集しています。高松の漆芸は,江戸末期に藩主・松平家の庇護の下に優れた作品を作成した玉楮象谷(たまかじぞうこく)から始まります。象谷は中国やミャンマーで作られた漆芸品などを研究・改良し讃岐漆芸に特徴的な3つの技法(蒟醤,彫漆,存清)を完成させました。現代に至るまでこれらの技法をもとに優れた作品が作り続けられています。

金工は北原千鹿(きたはらせんろく)の活躍を中心に隆盛しました。千鹿や工芸刷新を目指すグループ「无型(むけい)」,若手工芸家団体「工人社」の作家によるアール・デコや構成主義の影響が見られる意欲的な作品の数々は,コレクションの重要な一部になっています。


讃岐漆芸にみられる特徴的な3技法
彫漆(ちょうしつ) 漆を塗り重ねて厚い層を作り,その表面を彫って文様を表したもの。漆の色によって堆朱,堆黒,堆黄,朱漆と緑漆を併用したものは紅花緑葉と呼ばれています。
蒟醤(きんま) 漆を塗った面に文様を線彫りし,その凹みに色漆を象嵌して平らに研ぎだしたもの。
存清(ぞんせい) 漆を塗った面に色漆で文様を描き,乾いた後に輪郭や細部を線彫りしたもの。彫り口に何も入れない点で,沈金や蒟醤と異なります。

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