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令和3年4月

更新日:2021年4月15日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「四月に想う」   小学一年生との貴重な思い出

 新しい年度を迎え、学校には新しい友達が入学してきたことだと思います。「ピッカピカの一年生」、懐かしいCMですが、見事に入学したばかりの初々しい小学1年生の姿を表す言葉です。ランドセルや服に靴や帽子だけがピッカピカではありません。1年生は、体も気持ちもがピッカピカに輝いていることでしょう。
 私が小学1年生を担任した時の、入学式の担任紹介でのことです。学年主任を先頭に、3人の学級担任が子どもの前に進んで行ったのですが、私は1組でしたので、主任の次を歩きました。 すると、私が担任する1組の子ども全てが、私ではなく、私の前を歩く優しそうな女性の主任を目で追っていました。子どもたちは安心したかのような表情で主任を見つめている様子に、ふと私は「学年主任を自分の学級担任だと間違って見ているのでは…」と気付きました。「学年主任のA先生です。」「次は、1組担任の藤本泰雄先生です。」案の定、主任をにこやかに見つめていた1組全員の頭が一斉に私の方を向いた途端、こわばった顔になり、中には後ろにのけぞる子どもまでいた瞬間が、私と担任した1年生との初めての出会いでした。今でこそ、幼稚園には男性の先生もいらっしゃいますが、当時は、ほとんどが女性の先生でしたので、先頭を歩く女性が1組の担任だと思い、安心したのでしょう。その子どもたちが、怖いものを見るような表情でまばたきもせずに私を見つめていたあの姿は、何年たっても忘れられません。
 しかし、それからの子どもたちとの日々は、私の教師生活にとってとても貴重な時間となりました。私が、心掛けたことの一番は、「一人前の人間として付き合う」ということでした。1年生は、つい6年前に生まれた幼い子どもですが、一人前の人間として、その人格を尊重し、言い分やしたいことにしっかりと心を向け、対等に、意図をもって人間同士として付き合っていくよう心掛けました。
 二番目は、「自立の芽を大切にする」ということです。例えばこの時期の子どもは、よく「先生、Bちゃんが押した。」「先生、Cさんが掃除をしてくれない。」と訴えてきます。私は、「あっ、そう、ケガはなかった?」「それで?」などと極力、軽くあしらいます。ある保護者が、「先生は、子どもの訴えを何も聞いてくれない。」と、1年生のように訴えてきたのですが、私は、状況を細かく観察し、把握した上で、意図あってそう軽くあしらっているのです。「その時こそが、お子さんが自立するチャンスですよ。私が乗り出したら、そのチャンスをみすみす逃すことになります。」と保護者には返事をしました。重ねて「あなたも自立するチャンスですよ。」と言いたかったのですが、そこまでは口にできませんでした。
 校長時代に、1年生の担任がこのようなことを言ってきました。「給食の準備、片付け、掃除などが1年生だけでできるようになりました。授業にも意欲的に取り組んでいます。小さい頃は、勉強すること、新しいことを知ること、自分の力で何かをすることがとても楽しかったはずなのに、学年が上がるにつれて、始まる前から「無理」と言ってあきらめる子が増えます。いつまでも、このきらきらした瞳を持って欲しいと願います。」
 新しい学び舎や学年での生活を始めたすべての子どもたちが、今、抱いている希望や意欲をいつまでも持ち、生活を明るく楽しみながら成長できるよう、学校や家庭、地域のみなさんが、子どもの心に寄り添って共に歩んでいくことを願っています。

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