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平成30年3月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「三月に想う」子どもの成長の可能性を引き出すほどほどな環境


 陽射しの眩しさに春の訪れを感じるころとなりました。厳しかった冬の寒さに身をかがめていた草花も、背筋を伸ばすように光を浴び、庭に植えたチューリップもいつの間にか親指ほどに芽を出し、市役所南側の中央公園のユリノキの冬芽も大きくふくらんでいます。これが、自然というものなのでしょうか。
 3月を過ごす子どもたちは、新しい学び舎に向かう者、一つ学年が進む者、それぞれが希望を抱きつつ、今を過ごす環境との別れに一抹の寂しさを感じるなど、複雑な気持ちでこの時季を過ごしていることと思います。新しい環境への不安に、思わず、何も言わずに抱きしめてやりたくなるほどの葛藤を胸に過ごしている子どももいるに違いありません。
 そのような子どもたちの健やかな成長をただ願い、この1年間、子どもたちの周りにいる皆様方が日々の生活に精を出す中で、それぞれの立場で時間や労苦を顧みずに温かく見守り、育んでいただいたことに、心より感謝申し上げます。
 子どもを見守り、育てるということは、並大抵のことではありません。それだけに、様々な思いや考えもあり、一概にこれこそが特効薬だというものはありません。私を「じいちゃん」と呼ぶ存在ができ、少し冷静にその成長を見る中で、自身の子どもを育てていた時には気付かなかったことを多く見付けることができました。例えば、それぞれに成長の度合いは違えども、教えなくとも人間は泣くし、食べ物を口へ運ぶ、小便もするし、ついこの間まで這い這いをしていたかと思えばいつの間にか歩き出すということです。私たちは、こうした人間の素晴らしい命の自然な育ちの営みをもっと信じ、それが適切に機能し、成長するよう環境を整えてやることが大切なのではないでしょうか。
 私の家に、ある方からいただいた「カランコエ」という鉢植えの花があります。いただいた時に、「窓からお日さまがよく当たる暖かい所において、水はやりすぎないように、そして、花が終わったら、ご苦労さん、と肥料を一つまみだけやってください。」と教えてくれました。子育てもこのことと同じで、鉢植えの花が子どもで、水や肥料を与えるという環境が私たちです。大切なことは、環境が適当であるかどうかということです。暖かすぎても寒すぎてもだめですし、水をやりすぎても根腐れを起こします。肥料をやりすぎても枯れてしまいます。愛しすぎても愛さないのと同じくらいにマイナスの結果となります。求めすぎても同じです。愛しても愛しすぎない、求めても求めすぎない、世話をしても世話をしすぎない、このほどほどさが子どもにとっていいのだと思います。私たちが、客観的に冷静に、そして、ほどほどに子どもを見る目をもつことです。なかなか難しいことですが、子どもを自分とは別の存在として認めることができた時、子どもにとって適当な環境となり、子どもの可能性を引き出すことができるのだと思います。
 これからの時季、子どもたちは新しい環境での生活に挑んでいきます。すべての子どもが、皆様方のほどほどな環境の中で、自らの力で、それぞれが持つ成長の可能性を精一杯に生かしていくことを願います。

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