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平成29年9月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「九月に想う」 日常を大切にする

今年の夏も、集中豪雨や台風によって、様々な地域で甚大な自然災害が発生しました。近年の自然災害では、6年前の平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、未曾有の大災害となりました。
私は、地震のあった約6カ月後の9月20日に釜石市を訪ねました。目的は、震災後、交流を始めた釜石市立栗林小学校を訪れることでした。途中に通った釜石市街の海沿い一帯は、半年が過ぎているのにもかかわらず、津波による壊滅的な被害を受けたままであり、3月11日から時間が止まっているようでした。「釜石の奇跡」と呼ばれ、園児、児童生徒が、互いに助け合いながら、自ら率先して避難行動を取り、学校にいたすべての子どもたちが助かった釜石東中学校などがある鵜住居の町も、夏草に覆われ、ここに大勢の人が住み、生活が営まれ、笑顔があふれていたとは信じがたい静まり返った光景でした。
訪れた栗林小学校では、子どもたちも、教職員のみなさんも、明るく笑顔で迎えてくれましたが、その中には、親しい方を亡くした人もおられたそうで、辛い思いに懸命に封をし、学校生活を送る姿に心が痛みました。校長先生とは、震災があった直後に電話でお話をしてから、幾度もお声はお聞きしていましたが、会ってお話をするのは初めてでした。学校は、津波の被害には遭わなかったものの、被災当時は、凍てつく中、大勢の人の避難所となり、大変過酷な状況であったことをお聞きし、遠く離れた高松で耳にする状況より、遥かに凄まじい事態であったことを知りました。
数時間の滞在の最後に、ふと思い、お宅のことを尋ねました。「家は、陸前高田市ですが、その家は流され、妻は亡くなりました。」「妻の葬儀を一昨日の18日に行いました。」「この時期になってようやくどの家も葬儀をするようになり、私も教え子などの葬儀に一日に何回も行くことがあります。」との言葉に愕然としました。何度も、それまでにお話ししていたのにも関わらず、そうしたことに慮る心がなかった自分を情けなく、悔みました。
その後、校長先生には、二度ほど高松においでいただき、自ら体験したことから防災への想いを子どもたち等にお話ししていただきました。私も、一昨年の秋に、校長先生の住まわれている陸前高田市と、再び釜石市立栗林小学校を訪問し、陸前高田市では、仮のお住まいにも寄らせていただき、奥様の御霊前にお参りをしました。
今は、大切な友人となった、私には想像もできない体験をされ、復興への力強い歩みを進める校長先生からは、人としての在り方、生き方などを含めて多くのことを学ばせていただいていますが、防災に関して、そして、すべてに共通する、「命を守るために、日常の行動を大切にしてください。」という貴重な言葉をいただきました。体育館に入場する際には、黙って、並んで移動するなど、みんなで生活するための約束事や、人に対する思いやりを日頃からきちんと実行することが、災害から命を守ることになるという教えとともに、「日常を大切にする」ということには、最も辛い現実を、そして、悲しみを体験された人だからこその深い意味を感じます。

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