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平成29年7月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「七月に想う」 小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも食育が先

先日、ある幼稚園に訪問した際に、園で育てているキュウリやミニトマトなどの夏野菜を収穫し、おいしくいただいている園児たちに出会いました。野菜が実っているすぐそばの屋外の日陰で、向き合って座るという教師によって見事に設定された環境の中で、取れ立てのミニトマトを小さな手に、ほおばっている姿に、命をみんなでいただくことの尊さをあらためて思いました。
先月の6月は食育月間でした。そして、毎月19日は「食育の日」です。多くの学校で、この時季の授業参観日等を利用して、本市の「子どもの成長を願う6つの活動」の1つである「マイ・ランチの日」を行っています。
自らが食するものを自ら料理するという工程は、子どもたちにとってとても関心があることです。食材の手触りや、舌で味わい香りを嗅いだり、彩りを見たり、五感をフルに使い、段取りを考えたり工夫をしながら、手先を使って行う作業は、脳の活性化や生活力の向上にもつながります。そうしたことから、本市では、「マイ・ランチの日」を設定し、それぞれの学年段階に合わせて、自ら弁当づくりに取り組み、「食」への関心を高めていこうとしています。
平成17年に成立した食育基本法では、「国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが緊要な課題となっている」と「食育」の重要性を記しています。しかし、「食育」と言う言葉は、けっして新しい言葉ではなく、明治時代の書物に、すでに「今日、学童をもつ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき」とあります。また、別の書物にも「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも食育が先。体育、徳育の根元も食育にある」とありますように、歴史的にも長い間、家庭における子育てと躾の基本であったことがうかがえます。時代の進展によって食糧事情が改善されていく中で、明治時代の「食育」と現代の「食育」の根本的な課題は大きく異なってきていますが、食事を作ったり食べたりすることが、子育てや躾の基本であるということについては不変なことだと思います。
日本人は、食するものを過去から大切にしてきました。飯を御飯と言い、味噌汁を御味噌汁と言います。粥を御粥と言い、かずと言わずに御かずと言います。先人が自ら食するものに尊敬の意味を表す「御」を付けている意味を、もっと深く考えなければなりません。「いただきます」「ごちそうさまでした」と食事の前後に必ず言う言葉の意味についても「何をいただくのか」「何に感謝するのか」ということをあらためてみんなで考えたいと思います。人間は食事をしなければ生きていけません。しかし、食事にはそうした生物的な意味と共に、もっと深く大きい、人間性を問い直す意味や、チャンスがたくさんあります。1日に3度も、そして、毎日繰り返される食事というものを、もっと大切に考えていきたいと思います。
さあ、これからもっと暑くなる夏を、しっかりとおいしい食事を作り、いただき、元気に乗り切っていきましょう。

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