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平成29年5月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「五月に想う」 こいのぼりの絵に込められた想い

 若葉の香りを含む、さわやかな初夏の風の中、高松市立中央公園で「高松春のまつりフラワーフェスティバル&交通安全フェア」が開催されました。色とりどりに咲き揃う草花に彩られた公園で、様々に工夫されたステージやコーナーを楽しむ大勢の子どもたちの笑顔に出会え、それだけで、幸せに満たされた時間を過ごすことができました。
 私の子どもが幼かった頃にも、同様な催し物が中央公園で開かれ、一緒に訪れたことがありました。その時は、上空に手作りのこいのぼりがたくさん飾られ、その下では写生大会があり、三人の子どもたちも参加し、思い思いに絵を描きました。
 末娘は幼稚園児でしたが、嬉しそうな顔で、何度も何度も、空に泳ぐこいのぼりを見上げながら、そんな自分の様子を絵にしていました。しかし、よく見ると、こいのぼりのすべてが逆に描かれているのです。もちろん、上空のこいのぼりは、口の方が渡されたロープに繋がれているのですが、娘が描いたどのこいのぼりも、しっぽが繋がれ、口は、空に向かって大きく開けられていました。
 私は、「あれ、こいのぼりが反対だなあ。」と誇り顔で言ったのですが、娘は、素知らぬ顔で描き続けていました。ちょうどそこに通りかかった写生大会の審査員の先生が、娘に、「ああ、お嬢ちゃんすごいね。大きな口で、風をいっぱい受けて泳いでいるこいのぼりが描けたね。」と頭をなでてくれたのです。娘は、先程の私の言葉には素っ気なかったのですが、先生のその言葉には満面の笑みを浮かべて、大きくうなずいたのでした。そして、先生は、「お嬢ちゃん、黄色い服に赤い靴がとってもお似合いだよ。」とだけ言って、こいのぼりが反対なことには一切触れずに、行ってしまいました。それから娘は、自分の赤い靴を眺め、絵の中の自分に真っ赤な靴を履かせ、絵を仕上げました。
 絵には、描いた人の想いが表れると言います。私は、「お空に、こいのぼりがたくさん、大きな口を開けて泳いでいて、気持ちよさそうだなあ。」という娘の想いが絵に表されていることには全く気付かず、ただ、「間違っている。」という指摘をしてしまったのです。
 絵だけでなく、様々な場面での子どもたちの想いを、審査員の先生のように、まずは、分かろうと、理解しようと、努めなければならないと思いました。「理解する」、「understand」は「下に立つ」と訳せることを、それ以来、自分に言い聞かせている懐かしい出来事です。
 審査の結果、娘は立派な賞をいただき、共に絵を描いた兄姉からは、「こいのぼりが反対なのにおかしい。」と言われていましたが、五月晴れの空のような表情で、授賞式後に自分の想いをいっぱいに込めた絵と一緒に、写真に納まっていました。

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