このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
  • くらしの情報
  • 観光・文化・スポーツ
  • 事業者の方
サイトメニューここまで

本文ここから

平成29年12月

更新日:2018年3月1日

教育長ひと言

教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。

「十二月に想う」どんぐりに教えてもらった大切なこと

 健全で活力ある森林を育て、次世代へ引き継ぐことの大切さを伝える「第41回全国育樹祭」が県満濃池森林公園で開かれました。厳しい冷え込みの中でしたが、心温まる様々な行事に、そして何より自然と共にどう生きるかを考えるとても想い出に残る1日となりました。本市から参加しました鬼無小学校の緑の少年団から、クロマツの苗木が福島県の小学校に贈られる「みどりの贈呈」のセレモニーもありました。また、式典音楽隊には、高松第一高等学校の合唱部も加わり、森林に囲まれた会場に美しい歌声を響かせてくれました。
 その会場は、時折吹く風に広葉樹の落ち葉が空に舞い、雲間からの陽光にお日様の温かさを感じ、見上げる大空にトビが悠然と私たちを見降ろす、素晴らしい自然の中にありました。このような空間では、自ずと、大らかでゆったりとした心になるのは私たちも自然のものだからでしょうか。
 式典では、本県関係者の御挨拶の中に「どんぐり銀行」のことがありました。この取組は、「ドングリを拾うことをとおして、森に近づき、親しみ、森と友達になっていただきたい。」という思いのもとで、地域の森を豊かにしていく本県発祥の活動です。
 かつて、私が勤務していた学校の4年生が呼びかけて集めたどんぐり7万個余りを「どんぐり銀行」に持っていき、お箸や間伐材でできた木工製品に換え、残りを預金してきたことがあり、私は、子どもたちの力でたくさんのどんぐりが集まってよかったと思っていました。
 しかし、担当から、どんぐりを集め過ぎても困るという話を聞きました。「本校は、人数の多い学校ですから、1人が10個持ってきても、すぐに1万個を超えるどんぐりが集まりますが、そのどんぐりを餌にしている生き物もいますから。」と言われ、私は、そのような視点に気付かずにいた自分を恥じ入りました。毎年すごい数のどんぐりが実りますから、少しぐらいは、とも思ったのですが、それにも限界があることでしょう。どんぐり銀行のパンフレットにも、「ドングリは木の赤ちゃんであると同時に、森の動物たちのエサです。拾いすぎに注意しましょう。」と書かれてあり、1回あたりの預入限度額も明示されています。自然の遥かな営みの中で巧みな調和をとって、どんぐりの、虫たちの、そして鳥などすべての生き物の命をつないできた地球ですが、人間もその一部であり、ほんの小さな存在でしかないことを忘れてしまっていました。
 以前、NHKスペシャルで「地球大紀行」や「驚異の小宇宙 人体」という番組がありました。伝え聞いた話ですが、先に「驚異の小宇宙 人体」が完成していたそうです。しかし、「地球大紀行」が出来上がるのを待ち、それを先に放送して、その後に「人体」を流したそうです。地球あっての人間であるという当然ではありますが、重要な判断が、放送担当者にはあったのでしょう。
 地球上に文明を築く人類ですが、命を引き継ぎ、未来を担う子どもたちには、生命の営みや自然界のバランスといった大きな視野で物事を考えていく人間になってほしいとあらためて思いました。しかし、どんぐりに教えてもらったように、実践は身近なところから、地道にできるということを教え、ともに行動していきたいと思います。

お問い合わせ

このページは教育局総務課が担当しています。
〒760-8571 高松市番町一丁目8番15号本庁舎10階
電話:087-839-2611
ファクス:087-839-2615

Eメール:kyoikusomu@city.takamatsu.lg.jp

本文ここまで


以下フッターです。

高松市

〒760-8571 香川県高松市番町一丁目8番15号
電話:087-839-2011(代表)
法人番号1000020372013
Copyright © Takamatsu City, All rights reserved.
フッターここまでページ上部へ