木造五大尊像

彫刻

指定区分   県指定有形文化財

指定年月日 昭和44年4月3日

所在地    根香寺(高松市中山町1506) 「たかまっぷ」で地図を表示する

解説
 護摩堂(ごまどう)には、不動明王を中心にして、東方に降三世(ごうさんせ)、南方に軍荼利(ぐんだり)、西方に大威徳(だいいとく)、北方に金剛夜叉(こんごうやしゃ)の各明王(みょうおう)をおまつりしている。
 明王は、明(みょう)(真言(しんごん)ダラニ)を唱えながら拝むと、最も霊験あらたかな仏さまである。どの明王も、救いがたい衆生を教化するため、いずれも光焔(こうえん)を負い、形相すざましく、武器を振りかざしている。あらゆる悪魔的な力を打ち破るため、怒髪(どはつ)天をつき、多面(ためん)、多臂(たひ)、多足(たそく)の非人間的な姿である。鎌倉時代の昔、この山深い根香寺の堂の中で、五大明王を前にして護摩(ごま)をたいて祈祷しているさまを想像すると密教の厳しさを思い知らされるような気がしてくる。
 中尊の不動明王は、盛りあがりの強い巻髪を刻み、降魔(ごうま)の形相(ぎょうそう)も凄(すご)い造りである。しかし、彫法に多少固さがみられ、南北朝時代の造像といわれている。松平初代藩主頼重が、この不動明王に、「霊験あれば示し給え」と祈念したところ、この不動がやおら立ちあがったという伝説の主でもある。
 軍荼利明王は、すざましいお顔に目が3つ、手が8本。12匹の蛇が、脚・首・手に巻きついている。軍荼利(甘露をたたえた瓶)の甘露で種々の障害を除いてくださるという。
 降三世明王は、顔が3つ、手が8本で、足下に大自在天(だいじざいてん)とその妃烏摩(うま)を踏んでいる。これは、欲望にうずく世界、物質にとらわれる世界、意識にこだわる世界の煩悩を降伏(ごうぷく)すると信じられ、この三世界の主である二天をも降伏することを示して降三世の名がついている。
 金剛夜叉明王は顔が3つで、その中の中心の顔には目が5つある。手は6本で金剛杵(しょ)の威力をもつ夜叉の意味で、人の心の汚れた欲心を食い尽くし、真実の悟りにいたらせるという。
 大威徳明王は、一切の悪毒龍を調伏(ちょうぶく)する大威徳のある明王として信仰されている。六面・六臂(ぴ)・六足で水牛にのっておられる。農耕の仏ともいう。
 五躰とも玉眼入りの寄木造りである。護摩の炎の中で極彩色の五大明王の目がぎらぎらと輝く。みるものに畏怖を感じさせ、真言道場として堂内狭しと並ぶ様は、まことに圧巻である。不動明王以外は鎌倉時代の作。
〜 高松市歴史民俗協会・高松市文化財保護協会1992年『高松の文化財』より抜粋 〜 

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