平成22年度高松市協働企画提案事業「高松市環境リーダー養成事業」

若菜係長

 協働企画提案事業は市民の発想をいかした事業提案を募集し、NPOと高松市が、よりよきパートナーとして、お互いの目的を共有しながら、社会的・公益的な課題にともに取り組み、市民サービスの向上を目指す事業です。高松市役所の各部署からの課題テーマ部門とNPOが社会的課題の解決を目指す自由テーマ部門の2部門があります。
 本事業は、環境保全推進課の課題テーマ「環境リーダー養成講座の開催について」を解決する事業です。地球温暖化防止や環境保全に対する市民の理解と取組み意欲を高めるため、環境リーダーを養成し、環境リーダーを通じて環境情報の提供や学校教育及び生涯学習における環境教育・学習の充実を図ることにより、市民の自発的な環境行動を支援しようとするものです。
 ?環境保全について広く考えることができる人(基本的な知識の習得)、?目標達成に対し、何をすれば良いか考え、実践する人(企画力・実行力の習得)、?他人の意見を聞き、仲間と協力しながら進んでいく人(調整力の習得)の育成を目指します。
写真の方は、環境保全推進課で協働推進員の若菜浩臣係長です。

協働のパートナー

市民側:協働している市民は、「特定非営利活動法人イー・プロフェス」です。

行政側:協働している行政は、環境保全推進課です。

協働の形態は委託です。

公開プレゼンテーションの様子

役割分担

NPO:事業の企画・計画、参加する個人・団体のプロデュース、事業の実施・運営等

行 政:研修内容の企画段階からの参画と事業全体の管理、開催・募集等の広報、庁内各課や他団体との調整(必要に応じて)、事業実施時の人的援助。
写真は、平成22年6月に開催されたイー・プロフェスの三村代表による公開プレゼンテーションの様子です。

要した経費

542,617円(高松市委託料450,000円、研修受講料・NPO自主財源等92,617円)

高松市環境プラザ

事業の紹介

 未来世代にとって、快適で住みよい社会、自然環境を持続していくためには、環境保全に対する市民一人一人の理解と取組み意欲を高め、具体的行動を活発化・拡大化させることが必要です。そこで、高松市、NPO法人イー・プロフェスは協働し、各地域で環境保全活動のリーダー的役割を担う“高松市環境リーダー”を養成することといたしました。地域のリーダーとして、自発的に環境保全活動に取り組む意欲と熱意のある方を募集し、養成講座(全10回)を受講していただき、環境リーダーを養成します。
写真は環境リーダー養成講座が開催された高松市環境プラザです。

修了証

環境リーダーになるための流れ

応募※1:2010年8月16日〜2010年9月15日

書類審査、選考:2010年9月16日〜2010年9月24日

通知:2010年9月24日

養成講座(全10回):2010年10月〜2011年3月

修了証(※1)の授与:2011年2月26日

活動:2011年4月〜
※1修了証は全講座のうち、7回以上を受講された方に交付します。
 写真は修了証です。

募集のチラシ

受講生の募集

 応募資格は、
?高松市内に在住又は通勤・通学されている方、
?平成22年4月1日現在で満18歳以上の方、
?環境リーダー養成講座の趣旨を理解し、率先して取組む意欲のある方
の3つの条件を満たす方で、要請講座の受講料(全講座10回分):1,000円で、公募しました。
定員30人に対し、32人の方々から応募があり、32人全員を受け付けました。
 写真は、募集のチラシです。画面をクリックすると拡大します。

事業の目標(可能な限り数値目標を記載する)

 環境リーダー養成講座を受講し、環境リーダーになった者の1/2が、?平成23年度の行動計画(チャレンジ宣言)を策定し、?その行動計画に準拠し、23年度に行動を行うことを目指します。

環境リーダー養成講座の紹介

■第1回(高松市の環境の現状とあるべき姿ほか)
■第2回(思考力トレーニング1)
■第3回(思考力トレーニング2)
■第4回(エコ工作)
■第5回(活動実施者のお話しほか)
■第6回(チーム力トレーニング1)
■第7回(チーム力トレーニング2)
■第8回(エンルギーかばんを体験しようほか)
■第9回(エコ見学ツアー)
■第10回(H23年度チャレンジ宣言ほか、修了式)

修了式の様子

事業の成果(数値目標)

●ハードスケジュールのため当初5名程度と予想されていましたが、大幅に上回る15人の方が環境リーダーになられました(環境保全推進課職員除く)。
●その全員の方が、平成23年度の行動計画(チャレンジ宣言)を策定しました。その行動計画に準拠し、23年度に行動を行うことが期待されます。
●研修スタート時よりも活動に向けて前向きな考え方に変化・成長した方が増えました。
 写真は、修了式の様子です。

平成23年度の行動計画(チャレンジ宣言)

 環境リーダーとして認定された2人の方のチャレンジ宣言をご紹介しましょう。
チャレンジ宣言は、
@私のチャレンジ(活動と目標)、
A現状とその問題点、
B将来の夢、
の3項目から構成されています。

協働の評価シートによる評価点数

NPO:48点/50点
行政平均:46.5点/50点

設問 10
NPO 48
環境保全推進課 4.5 4.5 4.5 46.5

三村彰裕さん 

協働のパートナーに聞く

特定非営利法人イー・プロフェス
代表:三村彰裕さん
 未来世代にとって、快適で住みよい社会、自然環境を持続していくためには、環境保全に対する市民一人一人の理解と取組み意欲を高め、具体的行動を活発化・拡大化させることが必要です。そこで、高松市、NPO法人イー・プロフェスは協働し、各地域で環境保全活動のリーダー的役割を担う“高松市環境リーダー”を養成するべく本事業は実施されました。

 言うまでもなく環境リーダーと類似の人材養成は、官公庁や他県他市でも実施されています。また、高松市においては、リサイクル推進員、エコマイスターなどの人材養成を過去に実施した経緯があります。しかし、行政主導の人材養成は抜群の効果を上げているとは言い難い現状です。すなわち、研修は実施したが、研修前後で変化なし、環境保全活動促進につながっていない等といったケースが多いのは否めません。従来通りのやり方ではなく、プロフェッショナルの視点、ブレークスルーが必要と市側も感じていました。

 本事業においては、まず全国の類似事業の調査・分析を実施し、成功要因、失敗要因を抽出することから始めました。思いつきや勘、関係者の熱意・希望で適当にコンテンツを決めると失敗する確率が高いからです。分析の結果、大きく2つの成功要因が導き出されました。

【成功要因1】活動の基本能力となる問題解決能力、チームワーク力の研修を充実させる
 言うまでもなくトンチンカンな解決策や思いつきで活動しては効果が不十分です。また、効果の高い活動は一人では実施困難です。従って「問題解決能力」「チームワーク力」は環境リーダーに必須です。しかし、一般的に社会活動実施者は、問題解決能力、チームワーク力の訓練がされておらず(経験が少なく)、弱い傾向にあります。
 本研修では、人材育成マネジメントコンサル(人材育成のプロフェッショナル)を講師に招き、研修全10回のうち4回分を問題解決能力、チームワーク力の強化研修とし、2つの重要能力をしっかり身につけていただくよう設計しました。

【成功要因2】実際の活動との直接的連動性を重視する
 よく考えると当たり前ですが、無視されている事実があります。「環境知識に詳しくなることと、環境保全活動を実施することに高い因果関係はない」です(※相関関係ではなく因果関係です)。
 類似の研修では、環境知識のインプットが豊富に行われるケースがあります。環境知識のインプットもむろん必要で良いことなのですが、限られた回数の研修で活動にドライブを掛けることを目的とすると、知識インプットに多くの回を割くのは適切ではありません。実際インプットした知識をどのように活動に反映させるかがイメージつきにくいのです。本研修では、活動ツール、活動ネタ、活動事例を習得することで、実際に活動する際の引き出しを増やせるよう設計しました。

 高松市環境リーダー元年として、良いスタートがきれたと実感しています。高松市環境リーダーになった方々が、今回の研修をポジティブに活かし、地域のリーダーとして自発的に環境保全活動に取り組むことを祈願するとともに、当方も出来る限りの支援を行っていきたいと思います。
 写真は熱弁をふるう三村彰裕さんです。


原岡課長

環境保全推進課長:原岡 正仁
 行政が企画する講座では、どうしても知識偏重に陥り、講座終了後には、あまり知識は身についていない、という結果に終わることがあると言われていますが、今回の講座では、特定非営利法人イー・プロフェスとの協働により、講座の企画段階から「民間」の意見を積極的に取り入れ、より充実した講座となるよう工夫をしました。
 しかし、「民間」に任せきりではなく、行政としても運営について積極的な提案を行いました。特に、この講座は高松市にとって初めての開催であることから、私はこの講座の「主催者」でありながら、「受講生」として、実際に講座の中に入り込み、全体を見守ることにしました。講座の開始前、また、途中において、時には講師も交えながら、今後の方針等についての意見の摺り合わせを行い、行政として積極的な関わりを持ちました。
 講座を終え、高松市としては、「講座を開催する」ことだけが目的なのではなく、「実際に行動する」環境リーダーが育つために、今後何をしていくか、が問われているということを肝に銘じ、引き続き改善しながら、この講座を継続していきたいと考えています。
 写真の方が原岡課長です。

NPO情報

NPO法人イー・プロフェス

目的
 この法人は、民間企業、生活者、社会(公的機関・団体等)に対して、環境コンサルティング等に関する事業を行い、環境問題解決と経済発展の両立に寄与することを目的とする。

代表者:三村 彰裕
所在地:高松市上之町2丁目1番47号
電話:087−814−9301
FAX:087−814−9308
  メール:info@e-profess.org
法人認証:平成20年6月25日
活動分野:5 環境の保全を図る活動
(※特定非営利活動促進法第2条第1項の別表に掲げる17分野)
特定非営利活動法人イー・プロフェスHP

委託

 「委託」は行政の責任において実施するべき事業を、NPOに委託して実施する協働形態で、NPOの専門性などを活かし、効果の高い事業が実施できます。
 実施事業例としては、地域政策課市民協働推進室の高松市ボランティア・市民活動センター管理運営委託事業やこども未来課のファミリー・サポート・センター運営委託事業などがありあます。

留意点としては、以下の7点です。

?委託は、本来的には行政の範囲にある業務を代行する活動であることから、NPO自体の成果ではないことを双方が理解した上で、NPOの目的と行政の目的が実現できる方法の一つとして委託を選択肢に入れる。
?成果物に関しては、対等な関係に基づいて、お互いに資源を提供し合うことによって得られたものと考え、その所有権・公開権は基本的にNPOと行政の双方のものとする。
?NPOの特性を発揮することができる事業を委託する。
?仕様書や契約書などで委託内容を指定する際には、骨格的な条項にとどめ、NPOの意見や提案を取り入れる余地を残す。
?多くのNPOは、行政との契約の経験が乏しいので、契約方法、支払方法、仕様書、契約書などについて、事前によく説明する。
?事業の実施に当たっては、周囲の状況変化に応じて手法や手順を変更することがあり得るので、柔軟に対応できるようにしておく。?NPOの資金的な面に配慮し、事業の円滑な執行を確保するために必要であれば、概算払いや前金払いを検討する。

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