「奥塩江の石仏の調査整備事業」

協働企画提案事業は、市民の発想をいかした事業提案を募集し、NPOと高松市が、よりよきパートナーとして、お互いの目的を共有しながら、社会的・公益的な課題にともに取り組み、市民サービスの向上を目指す事業です。高松市役所の各部署からの課題テーマ部門とNPOが社会的課題の解決を目指す自由テーマ部門の2部門があります。

この事業は、地域政策課(庵治支所)の課題テーマ「まちおこし部隊よ。きたれ!」に対する提案です。課題は庵治町にまちおこし部隊を招き、まちの活性化を図ろうとするものでしたが、この事業では庵治を奥塩江と置き換え、石仏の調査を手段として、奥塩江の活性化を図ることを目的とします。

地元住民と市民ボランティア(まちおこし部隊)が協働で、奥塩江・上西地区にある、あまり知られていない地蔵や阿弥陀仏、庚申塚などを調査し、必要なところは草刈作業等も行い、保養地にふさわしい「資源」として再生させるものです。

(上)高本係長、(下)赤松副主幹

写真の上側の方は、地域政策課の協働推進員である高本牧男コミュニティ係長、下側の方は観光振興課の赤松正己副主幹です。

協働のパートナー

市民側:協働している市民は、 「特定非営利活動法人 奥塩江交流ボランティア協会」です。

行政側:協働している行政は、 地域政策課観光振興課です。

協働の形態

協働の形態は「委託」です。

協働の形態「委託」とは

事業提案の公開プレゼンの様子

協働の役割分担

NPO: 事業の企画(参加団体のプロデュース)、運営実施
行 政: 事業の企画段階からの参画と事業全体の管理、開催経費の支出、開催・募集等の広報、イベント当日の人的援助

写真は、平成21年2月に開催された奥塩江交流ボランティア協会の大西代表による公開プレゼンテーションの様子です。

要した経費

478,000円(高松市委託料450,000円)

阿讃山麓

事業の概要

塩江町は、東西10.5km、南北8.5km、総面積は80.10k?、総面積の84%を山林が占める阿讃山麓の代表的な峡谷の町で、南に向かうにつれ標高が高くなり、竜王山(1,059.9m)や大滝山(946m)を主峰とする讃岐山脈へと続いています。

写真は阿讃山麓です。

上西地区の農家

今回の協働企画提案事業の舞台である上西地区は、塩江町の中心部から南へ約7q、東は三木町、西は満濃町、南は徳島県に接しています。本市の重要な水瓶である内場池とその上流地域、ブナ原生林が残るなど、自然の豊かな素晴らしい環境の地区です。
近年の、都市圏住民の地方への移住や交流促進の関心の高まりにより、保養地としての活用も十分に考えられます。

写真は塩江上西地区の山腹にある2軒の農家です。

上西地区の人口 

塩江町は、平成17年9月、高松市と合併しましたが、その塩江町は、昭和31年9月に、塩江村、安原村、上西村の三つの村が合併し、できたものです。右側の表は、その上西地区の人口と面積を、高松市と塩江町を比較しています。上西地区の面積は、高松市の9%を占めますが、人口はわずか0.1%です。

上西地区の人口及び世帯数の推移

右側のグラフは、上西地区の人口、世帯数の推移を表しています。昭和30年代初頭には2千人を超える人々が住んでいましたが、近年、急激に過疎化が進んでいることが伺えます。

行基の湯 

塩江町には、その昔、名僧行基が発見し、弘法大師によって広められたと言われる、県下有数の歴史を誇る温泉があります。また、県境にある大滝山は、弘法大師が若き日修行のためにこもったと記録にある大嶽岳のことだとも言われています。
そのためか、上西地区には、地蔵や阿弥陀仏、庚申塚などといった石仏が相当数点在しています。あまり知られていないものも多く、過疎地域のため手入れが行き届かず、雑草の繁茂、竹林の拡大等によって荒廃が進んでいるものも多くあります。

写真は行基の湯です。

山道と石仏

今、美しい自然環境や古くから伝わる民族遺産に安らぎを求める市民も増えていますが、本事業は、市民ボランティア(まちおこし部隊)を募集し、有識者の協力も得ながら、地元住民と市民ボランティアが協働で、それらを調査・顕彰し、必要なところは草刈作業等も行い、保養地にふさわしい「資源」して再生させようとする事業です。

そして、この事業が、外から訪ねて来る人には、地域の自然と人情について、その良さを知り、好きになってもらうとともに、地元に住む人には、地域のことを一層よく知り、ここに住むことに誇りを持ってもらうことを目的としています。

上西地区に点在する石仏

事業の目標

(可能な限り数値目標を記載)

・まちおこし部隊との石仏調査と草刈作業…5回
・まちおこし部隊と地元との交流勉強会…5回
・講演会の開催…1回
・説明板の作成…10基

事業の紹介

■第1回ボランティア体験隊(モモの広場〜貝ノ股編)
■第2回ボランティア体験隊(真名屋敷コース)
■第3回ボランティア体験隊(松尾・細井コース)
■第4回ボランティア体験隊(内場池周辺コース)
■第5回ボランティア体験隊(石打コース)

(クリックして拡大)事業で作成した説明板

事業の成果

(数値目標に対する成果)

・まちおこし部隊との石仏調査と草刈作業…4回
・まちおこし部隊と地元との交流勉強会…5回
・講演会…4回
・説明板…15基

写真は本事業で製作した説明版です。

協働の評価シートによる評価点数

NPO:47点/50点
行政平均:46.5点/50点

     
設問 10
NPO 47
行政平均 4.5 4.5 4.5 46.5
地域政策課 46
観光振興課 47

奥塩江交流ボランティア協会の大西代表

協働のパートナーに聞く

特定非営利法人奥塩江交流ボランティア協会
代表:大西佑二さん

今、これまでの、経済重視、大量消費型の生活様式とは異なる、「スローライフ」「ロハス」といった方向への人々の指向は、さまざまな形で顕在化してきています。こうしたなか、上西地区は、県下第一の高峰竜王山、借り耕牛の通った相栗峠、弘法大師ゆかりの大滝山などを有し、従来から、最も自然の残る地、また豊かな人情の残る地としての評価もあります。

ここに、私たちは、地域に住む人たち自らが立ち上がるとともに、地域外からボランティア協力をしてくれる人たちの力を大いにお借りし、行政の協働・ご支援によって、人々の心を豊かにする「保養資源」の一つとなり得べき、自然風景の中に溶け込んだ古い「石仏」を再発見(調査・顕彰)・整備させていただく当事業を実施させていただきました。

これによって、上西地区が、新しいニーズを持った多くの市民にとっては、一層、魅力ある地、安らぎを与えてくれる地になるとともに、住む人にとっては、自信と誇りを持てる地になり、限界集落などという今の言葉からは無縁の地域になることを心から願っています。

写真は、代表の大西佑二さんです。


環境ブートキャンプの様子

地域政策課長:村上 和広

今、よりよい社会を実現するには、市民自らが、自分の地域に目を向け、自ら行動していくことが、何より求められています。
奥塩江交流ボランティア協会は、高松市の最南端に位置する塩江町上西地区にあって、これまで平成19年に上西校区連合自治会との協働で「環境シンポジウム〜豊かさって何〜」を実施したことを始め、地域特有の自然豊かな環境を生かしながら、「やま歩き」「環境ブートキャンプ」「まんぷく会」など、積極的な活動で地域の活性化に取り組んでおられます。
今回の事業は、地域外からのボランティアの協力を得ながら、地区に残る「石仏」を調査し、周辺の環境整備作業をするという、自然の残る地域、過疎の地域ならではの企画として注目されます。

阿讃県境に至るこの地域に培われた人々の生活や交流を掘り起こす本事業の成果が、地区の優れた自然環境とともに、地元住民のもののみならず、全高松市民にとっての保養地にふさわしい財産になると確信しています。

写真は環境ブートキャンプの様子です。


天満ヶ原からの風景

産業経済部次長兼観光振興課長事務取扱:黒田 益光

塩江地区、特に上西地区は、豊かな森林資源などの優れた自然環境が、レクリエーションや保養の場としてふさわしく、こうした自然と共生したやすらぎ機能は、塩江地区の大きな魅力となっています。また、塩江温泉郷やホタルの文化の里、道の駅など観光交流施設もあり、今後、豊かな自然や温泉などの特性と機能を生かしながら、自然と調和のとれた安心と癒やしを提供できる観光とレクレーション機能を有する広域的交流拠点として、また、田園都市型ライフスタイルの提供可能な地域として期待されています。
奥塩江交流ボランティア協会の皆様の活動が、こうした役割と機能の一助となり、個性ある活力に満ちた地域社会の実現に資することをご期待いたします。

写真は天満ヶ原から高松市方面を眺めた風景です。奥に瀬戸内海と島々、右方には台形状の屋島が見えます。

NPO情報

特定非営利活動法人奥塩江交流ボランティア協会

目的
この法人は、上西地区の住民・団体、及び同地区を訪れる人・団体に対して、人々の豊かな交流を促進する事業、地区内の優れた自然環境や人文環境の保護と利用を促進する事業、その他の事業を行い、地区の自然と人情のなかで、人と人とが豊かに交流することによって、地区が住んで楽しく、訪れて魅力あふれる地区になることに寄与することを目的とする。

代表者:大西佑二
所在地:高松市塩江町上西甲77番地
電話、FAX:087−893−1614
メール:onishi-s@mxi.netwave.or.jp

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