平成21年度高松市協働企画提案事業「節水意識&水の貴重さ・素晴らしさ・大切さを啓発するドーム下イベント&親子水道教室」開催事業

松成室長

 協働企画提案事業は市民の発想をいかした事業提案を募集し、NPOと高松市が、よりよきパートナーとして、お互いの特性をいかしながら、社会的・公益的な課題に共に取り組み、市民サービスの向上を目指す事業です。高松市役所の各部署からの課題テーマ部門とNPO法の17分野から、NPOが社会的課題の解決を目指す自由テーマ部門の2部門があります。
本事業は、企画課水環境対策室の課題テーマ「節水意識の啓発」と水道局経営企画課の課題テーマ「親子水道教室開催」の2つのテーマを解決する事業です。

那須係長

 水の週間の初日に開催される「節水意識の啓発」イベントでは水道局が制作した水に関するパネルを使用すること、同週間の2日目に開催される水道局の「親子水道教室」においても、水の貴重さや水資源開発の重要性を啓発する内容であること、また、連日開催ということも相まって、ひとつの事業として実施するものです。

 写真の上側の方は、企画課水環境対策室の協働推進員で室長の松成孝弘さん、下側の方は、水道局経営企画課の協働推進員の那須有紀子・係長さんです。

協働のパートナー

市民側:協働している市民は、「NPO法人 イー・プロフェス」です。

行政側:協働している行政は、企画課水環境対策室と水道局経営企画課です。

協働の形態

協働の形態は「委託」です。

協働の形態「委託」とは

公開プレゼンテーション 

協働の役割分担

NPO:事業の企画(参加団体のプロデュース)、運営実施
行 政:事業の企画段階からの参画と事業全体の管理、開催経費の支出、開催・募集等の広報、イベント当日の人的援助。

 写真は、平成21年2月に開催されたNPO法人イー・プロフェスによる公開プレゼンテーションの様子です。

要した経費

239,468円(高松市委託料238,250円、自主財源1,218円)

イメージ

事業の目的

 度々異常渇水に見舞われ、長期にわたる渇水対応を余儀なくされている本市においては、これまでにも節水や水の有効利用について、PR活動等により、意識の高揚に努めていますが、こうした水を大切にする意識を確実に実践するまでに高める必要があります。

 「節水意識の啓発」イベントは、より親しみやすくするため「我が家の水がめづくり 水環境イベント『みずのわ』」と命名され、丸亀町壱番街ドーム下において、節水意識がそれほど高くない市民でも気軽に参加できる水にまつわる様々な催しを通して、節水意識の高揚さらには節水行動への移行を図ります。
 また、水の大切さを学ぶ「親子水道教室」は、本年で15回目を迎え、新しい企画が望まれていましたが、実験やゲームを通して、子どもだけでなく保護者も楽しめる教室として開催し、水の貴重さ・素晴らしさ・大切さを学びます。

事業の目標

●「みずのわ」への参加者数
約500人の参加者を見込みます。

●「親子水道教室」の参加者の水への興味向上
簡単なアンケート(来年も参加したいですか?、面白かったですか?、水への興味はどのように変化しましたか?等)を実施し、80%が好印象を目指す。

みずのわ1

我が家の水がめづくり 水環境イベント「みずのわ」@

 平成21年8月1日(土)午前10時〜午後4時、丸亀町壱番街ドーム下において「我が家の水がめづくり 水環境イベント『みずのわ』」が開催されました。水不足に悩まさることが多い高松市で、改めて水の大切さについて理解を深めてもらおうとする催しです。当日は、NPO法人イー・プロフェスと四国環境パートナーシップオフィスの総合的な監修の下、?かがわ環境学習支援ネットワークのブース、?高松工業高等専門学校エコサークルのブース、?高松市企画課水環境対策室のブースの3つに別れて開催されました。
 写真は会場の様子です。手前右が高松工業高等専門学校のブース、奥がかがわ環境学習支援ネットワークのブース、左側が高松市企画課水環境対策室のブースです。

みずのわ2

我が家の水がめづくり 水環境イベント「みずのわ」A

 かがわ環境学習支援ネットワークのブース〜このブースでは次の3つのイベントが開催されました。?「水道水とミネラルウォーターの利き水大会」、浄水技術の向上で、 水道水の方が市販のミネラルウォーターよりおいしいとした方が沢山いました。?「水のオリンピック」、2分間で、水を張った小皿に一円玉やクリップをいくつ浮かべられるか競いながら、水の性質を学びました。?「ブループラネット」、地球儀型のビーチボールでキャッチボールをします。キャッチしたとき右手の人差し指が指しているのは陸地か海か‥。地球の表面積の水と陸の割合を学びました。
 写真は利き水の様子です。水道水が1本、硬度の異なるミネラルウォーターが5本、 おいしい水を味わいます。

みずのわ3

我が家の水がめづくり 水環境イベント「みずのわ」B

 高松工業高等専門学校エコサークルのブース〜このブースでは次の4つのイベントが開催されました。@「スライム」、 あのにゅるにゅる、ねちゃねちゃの「スライム」の簡単な作り方を紹介しました。A「液状化実験『エッキー』」、阪神・淡路大震災で話題になった「液状化現象」を目の前で見ることができました。B「浮沈子」、水を満たしたペットボトルを握り締めると、中にで浮かんでいるしょう油差しが沈み始めます。アルキメデスの原理とパスカルの原理を楽しく学ぶ実験です。C「ジェットセメント」、超高速で固まる不思議なセメントで遊びました。
 写真は高松工業高等専門学校エコサークルの皆さんです。

みずのわ4

我が家の水がめづくり 水環境イベント「みずのわ」C

 高松市企画課水環境対策室のブース〜このブースでは、暮らしで使われる水の量や赤ちゃんや野菜に含まれる水分量などをクイズ形式で紹介しました。シャワーを1分間出しっぱなしにすると12リットルにもなることが、2リットル入りのペットボトルをずらりと並べて視覚的に学べるようになっています。日本人1人が一日に使用する水の量は245リットルに対し、高松市民1人が一日に使用する水の量は、なんと321リットル。参加者は更なる節水の必要性を強く感じていました。
 写真はペットボトルを取材するマスコミの様子です。

親子水道教室1

第15回親子水道教室@

 平成21年8月2日(日)午前9時〜正午、川添浄水場において「第15回親子水道教室」が開催されました。8月1日からの水の週間にちなんで、簡単な実験や水にまつわるゲーム、浄水場の見学を通して、水とふれあい、浄水場や水のふしぎを体験しました。講師はかがわ環境学習支援ネットワークの会員でまんのう公園インタープリターボランティアの会の井上博夫さんと奥様です。米国の環境教育プログラム「プロジェクトWET(ウェット)」の2つのアクティビティ(「限界ギリギリ」「驚異の旅」)を通じて、楽しみながら、水の大切さについて学び、水を大切にするにはどうしたらいいのかを子ども達自らが考えて、責任のある行動がとれるようにすることが目標です。市内の小学生とその保護者、約50人が参加しました。
 写真の方が、親子水道教室で講師を務められた井上博夫さんです。

親子水道教室2

第15回親子水道教室A

 「限界ギリギリ」〜黒く汚れた液体の入ったビン(写真の左端)を用意します。このビンから10cc取り、90ccの水道水の入ったビーカーに移します。これで汚れが1/10に薄められた液体ができます。次に、汚れが1/10の液体から10cc取り、90ccの水道水の入ったビーカーに移します。これで汚れが1/100に薄められた液体ができます。こうした作業を6回繰り返すと、汚れが1/1000000(百万分の1)の液体(写真の右端)ができます。100万分のいくらであるかという割合は、ppm(パーツ・パー・ミリオン)という単位で表します。主に濃度を表すために用いられます。日本では水中の汚染物質の許容濃度を決めていますが、魚などの生きものが暮らしていける水質はBOD5ppmとされています。これは、100万リットルの水に5ミリリットルの物質が溶けているということです。綺麗な水を作ることの難しさや汚れた水を流さないことを学びました。

親子水道教室3

第15回親子水道教室B

 浄水場の見学〜取水口からくみ上げた水が最初に入る「着水井(ちゃくすいせい)」から、水のにごりを固める凝集剤を投入する薬品混和池、にごりのかたまり(フロック)を作るフロック形成池、できたフロックを沈殿させる沈殿池、砂の層で小さな汚れを取り除くろ過池、塩素を注入し、飲めるようになった水をためる浄水池、水を送り出すポンプ室などを見学しました。川からくみ上げた水がきれいな飲み水になるまでには、丸一日以上かかるというお話を聞いて、子ども達は改めて、何気なく使っている水の大切さを感じたようでした。
 写真は見学会の様子です。写真右端のハンドマイクで説明している方が冨木田副場長です。丁寧な説明、ありがとうございました。

親子水道教室4

第15回親子水道教室C

 「驚異の旅」〜地球の水は、絶え間なく循環し、海や空や地上で形を変えながら、私達の命を支えています。参加者は水の分子となり、水が多く存在する地点(雲・海・川・湖・氷河・地下水・土・植物・動物)を表す標識のいずれかに立ちます。それぞれの場所で、水がそこから移動する可能性のある場所を示したサイコロを振り、その目に従って次の場所に移動します。これを繰り返し、地球上の水循環を体験します。水循環を体感しながら、水は様々な状態にあること、水の移動経路は単一ではないこと、移動しながら重要な役割を果たしていることなどを学びます。最後に、参加者に自分の移動した経路を実際の情景として説明していただきました。
 写真は水の分子となった参加者です。

事業の成果(数値目標)

 点数付けするなら、(1)みずのわ:100点、(2)親子水道教室:90点です 。理由は以下の通りです。

(1)みずのわ
本事業提案書にて成果目標を500名の参加者としており、十分達成できたと認識しています。また、三町ドーム広場を通る多くの人が立ち寄ってくれ、水への関心・節水意識がそれほど高くない市民に対しても節水意識向上を啓発できたと思います。

(2)親子水道教室
本事業提案書にて成果目標をアンケートで80%好印象としており、以下の通りほぼ達成できたと思います。

●限界ギリギリは面白かったか?
⇒面白かった82.4%、どちらでもない17.6%、面白くなかった0%

●限界ギリギリの理解度(講座内容を選択させる質問形式で判断)
 ⇒100%

●驚異の旅は面白かったか?
⇒面白かった94.1%、どちらでもない5.9%、面白くなかった0%

●驚異の旅の理解度(講座内容を選択させる質問形式で判断)
 ⇒100%

●来年の参加意欲
 ⇒参加したい76.5%、分からない23.5%、参加したくない0%

※パーセンテージは、「各項目の回答者数÷アンケート記入者数」にて計算。

協働の評価シートによる評価点数

設問 10
NPO 47
行政平均 4.5 4.5 4.5 45.5
企画課水環境対策室 45
経営企画課 46

イー・プロフェス 三村さん 

協働のパートナーに聞く

NPO法人イー・プロフェス
代表:三村 彰裕さん

  高松市においては、土地柄、慢性的な水不足に悩まされています。また、近年は異常気象の影響により、市民生活に支障をきたすほど問題が深刻化しています。しかしながら、高松市民1人の水使用量は321L/日と日本人1人の平均使用量245L/日を大きく超えているという現状です。このような市民に対して、節水への意識変革を図り、行動へ促すきっかけを作るために本事業は実施されました。言うまでもなく節水の普及啓発活動は行政を中心に様々な場所で数多く実施されています。しかし、上記の通り、抜群の効果を上げているとは言い難いのが現状です。従来通りのやり方ではなく、ブレークスルーが必要と行政側も感じていました。効果を上げるために本事業にて工夫した点は以下の2点です。
 (1)人間の心理プロセスに沿った施策、と(2)確立された教育プログラムの活用 です。

(1) 人間の心理プロセスに沿った施策
 節水の普及啓発活動において、節水を促す取り組みが多くなされていますが、節水意識がそれほど高くない生活者には何も届きません。人間の心理プロセスは、「認知→興味・関心→理解→行動」と言うプロセスを取ります(AIDMA理論)。節水意識のそれほど高くない生活者には、「いきなり節水という行動を促す」のではなく、「認知、興味・関心からスタート」していくアプローチが必要です。
8月1日(土)に開催した「みずのわ」では、@水のオリンピックや利き水などで「水とふれあう」ところから始め、A高松高専の実験ブースにて「水への興味・関心」を持ってもらい、Bクイズなどで「水への理解、節水の必要性を暗に促す」よう施策をプロットしました。さらに、Cパネル展示、相談コーナーで「さらに理解を深めたい市民に対応」しました。

(2)確立された教育プログラムの活用
 親子水道教室のような毎年継続的に実施する教室においては、トライ&エラーで毎回違うことを職員のアイデアベースで行われているケースが多いのは否めません。しかし、教室的には毎年でも参加者は毎年同じメンバーではありません。一回一回で効果を出していく必要があります。試行錯誤で毎年アイデアを出すよりも効果のある確立されたプログラムを活用する方が明らかに有効です。
 8月2日(日)に開催した「親子水道教室」では、水に関する教育プログラムとしては実績、歴史もあり、体系化までされている米環境教育プログラムの「プロジェクトWET」から、親子水道教室の目的である「節水意識の前提となる水の貴重さ・大切さを浸透させる」を実現させる2つのアクティビティを実施しました。参加者の様子を客観的に見るに、水に関心がそれほど高くない市民に対して、水の貴重さ・大切さの浸透、節水意識の高揚・行動へ促すきっかけを作れたと感じています。
 写真は、代表の三村彰裕さんです。


企画課水環境対策室長:松成孝弘

 節水に関する啓発としては、これまでも様々な取組を行っており、今年度からは、節水に取り組んだ方に抽選で賞品が当たる節水キャンペーンの実施や、雨水貯留タンク助成制度の改善などの取組を総称し、「我が家の水がめづくり」と題して啓発を行っています。今回のイベントでは、NPOの持つノウハウや独自の人脈が存分に生かされ、実験やゲーム、クイズなどを通じて、参加者の生の声を聞くことができ、また、水の大切さにあらためて気づく様子を直接実感することができました。
 開催準備中に渇水が深刻化し、予定していた催物の一部の中止を余儀なくされましたが、協働の手法により、水の大切さを実感させ、節水につなげていくという啓発イベントの目的は十分に達成できたと感じています。


経営企画課 森本課長

水道局経営企画課長:森本 啓三

 今まで、試行錯誤しながら親子水道教室を実施してきましたが、今年は水道局の職員とはひと味違った切り口から、「水の大切さや貴重さ」を小学生に学んでもらうことができたと思っています。この協働事業を実施するにあたっては、NPO側と行政側の役割分担がはっきりしていたため、双方の自主性を重んじて協働を進めるようにしました。さらに、当日の親子水道教室では、浄水場の施設見学も行い、その内容がNPOの実施した「プロジェクトWET」とリンクすることによって、協働効果をより高めることができたと思います。子どもたちにとって、難しそうに思えた内容も、NPOの方の経験と知識を十分に発揮していただき、例年とは趣の違った親子水道教室になったと思います。
 写真は親子水道教室の冒頭で、あいさつをする森本課長です。

NPO情報

NPO法人イー・プロフェス

目的
 この法人は、民間企業、生活者、社会(公的機関・団体等)に対して、環境コンサルティング等に関する事業を行い、環境問題解決と経済発展の両立に寄与することを目的とする。

代表者:三村 彰裕
所在地:高松市上之町2丁目1番47号
電話:087−814−9301  
FAX:087−814−9308  
メール:info@e-profess.org
法人認証:平成20年6月25日
活動分野:5 環境の保全を図る活動
(※特定非営利活動促進法第2条第1項の別表に掲げる17分野)

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